【田中道昭の着眼点】テスラの練り上げられた作戦に脱帽してしまう訳

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最先端企業の戦略を知る

2021/11/10

デジタルトランスフォーメーション(DX)は、顧客中心主義が生命線です。それは自社にとってどういうことなのか。アップデートし続けられるDXの成功企業はどのような実践をしているのか。『世界最先端8社の大戦略 「デジタル×グリーン×エクイティ」の時代』(田中道昭著、日経BP)で解説されている、米国のテスラ、アップル、セールスフォース・ドットコム、ウォルマート、マイクロソフト、ペロトン・インタラクティブ、アマゾン、シンガポールのDBS銀行という注目企業のグランドデザインや戦略を知ることでヒントが得られるかもしれません。『最先端企業の戦略を知る』シリーズでは、その最先端企業の注目戦略をテーマにお伝えし

ます。 第5回目は「テスラ」です。 昨今、民間人の宇宙船「クルードラゴン」打ち上げ等、宇宙ビジネスを盛り上げているスペースX社も、テスラの戦略全体構造を理解すると一貫性を持っていることが分かりま

す。 クリーンエネルギーを「創る、蓄える、使う」 テスラの株価はコロナ禍にもかかわらず急騰を続け、2021年1月には1年前の9倍以上にまで膨れ上がりました。2020年の業績は、中国市場と北米市場が

牽引して好調を維持、販売台数は前年比25%超の約50万台に達し、売上高は前年比28%増の315億ドル(約3兆4500億円)、営業利益は20億ドル(約2200億円)と上場以来初の黒字を達成しました。今や

テスラはEVのリーディングカンパニーです。 もっとも、EVだけでなくガソリン車を含めた自動車全体の販売台数を見れば、トヨタ自動車はグループ全体で952万台(2020年)に達しており、テスラはその9分の1程度にすぎません。 にもかかわらず既存の自動車メーカーを圧倒する高評価を得ているのはなぜか。それは端的にいえば「テスラは自動車メーカーではない」からです。テスラという会社のビジネスモデルの要諦は「クリーンエネルギーのエコシステム」を構築することにあります。EVの販売台数を数えているだけでは、テスラの真価を掴みそこねてしまいます。 実際、テスラの事業はEVだけではありません。太陽光発電を行う屋根「ソーラールーフ」や、急速充電器「スーパーチャージャー」、家庭用蓄電池「パワーウォール」などのエネルギー事業を着々と拡大させています。売上高の内訳を見ると、約80%は自動車の販売・リースですが、約10%は発電・蓄電関連、残り10%が充電ステーションなどのサービスの売上です。2016年には太陽光発電会社のソーラーシティを買収し、発電・蓄電関連の売り上げは増加傾向です。 こうして整理するとテスラは、太陽光発電でエネルギーを創り、蓄電池でエネルギーを蓄え、EVでクリーンエネルギーを使う企業であることが、明確になります。いわばクリーンエネルギーを「創る、蓄える、使う」の三位一体事業こそが、テスラの実態な

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